何度かこのブログにも書いたけど、わたし自身3度の別室送りを経験している。
加えてアメリカに出入りする人と接する機会が多い留学エージェントという職業柄、入国拒否やその場で強制送還となった留学生もみてきた。
では、なぜわたしを含め彼らは、別室送りや入国拒否となったのか?
今回は実際に起こった出来事を元に、その理由を伝えていきたい。
別室送りや入国拒否を回避するために準備しておくこと、目をつけられやすい人の特徴、別室での質問事項などもここにまとめるので、最後まで読んでみてください。
別室送りになった理由
まずはわたしの実体験から話していくとしますか。
ちなみにだけど、入国審査場では〇〇が理由だから別室に行きなさい、と明確に理由を伝えてはくれません。
でも審査官との会話で、どうしてそうなったのかはわかります。
まずは1回目の別室送りになった理由から。
1.わたしの場合:格安校
はじめての別室送りは、わたしが2回目の学生ビザを取得し、再留学をしたときのこと。
当時の状況としてはこんな感じ。
- 2度学生ビザを取得している
- 30歳を過ぎている
- 格安の語学学校へ申し込み
まず一発目に入国審査官から「なぜ2回も学生ビザを取得したのか?」と質問されたよね。
これについては「病気にかかり、その治療のため帰国せざるを得なかった」と回答。
ちなみに入国審査ではわたしの渡航歴や、その他の情報をチェックできるようになっているはず。
だってモニターを見ながら「以前も学生としてアメリカに滞在していたんだね」と言われたから。
次にI-20をチェックされ、格安校を選んだ理由も聞かれました。
これについては「エージェントがおすすめしてくれたから」と伝えたけど、この時点で別室に行ってと言われてしまった…。
そもそも別室送りになる理由って、永住目的や就労しようとしているのでは?と疑われているからなんです。
それで言うと、当時のわたしの状態なんて確かに怪しまれる要素ばかり…。
- 2回目の留学も語学学校でそのうえ格安校=ホントは安い費用で極力学校に行かず働きたいんでしょ?
- 30歳をすぎ未婚=偏見な部分もあるけど、結婚適齢期で未婚だと現地にパートナーがいると思われやすい
たとえば2回目の留学先に、カレッジや大学を選んでいたら話の筋としてはアリ。
語学学校からカレッジや大学に行くってさ、ちゃんとステップアップしてるでしょ。
もしくは大学進学するために、まずは語学学校でTOFELクラスと受講するとかね。
でもわたしが選んだのはコリアタウンの格安校でESL…。
入国審査官もさ、格安校はビザキープのために籍をおいている学生が多いってこと知ってるのよ。
現地で学校もろくに行かず働くだろうな、結婚して永住権をとり職を見つけアメリカ人の雇用を奪うようなことをするんだろ?なんて疑われるわけです。
実際別室では、格安校を選んだ理由を繰り返し聞かれたし、彼氏らしき人物が写ってないかi-padの写真フォルダも見られたもんね。
だから1回目の別室送りとなった理由は、格安校を選んだこと+年齢で間違いナシ。
2.わたしの場合:政治的理由
2回目の別室送りは、ちょうどトランプさんが大統領に就任した直後くらい。
このとき移民の入国者を厳しく取り締まっていた時期で、最悪のタイミング。
I-20を見せた瞬間質問もされず、一発別室送りになったいう(汗)
聞くところによると、当時留学生というだけで別室になった人がたくさんいたんだとか。
これはもう運が悪かったとしか言いようがない…。
3.わたしの場合:ビサキープ校
初回とほぼ同じ内容です。
このときはコリアタウンの中でもかなりマイナーな語学学校に通ってて…。
授業に出ない生徒ばかりだったし、授業中に寝てる人もたくさんと、いわゆるビザキープ的な感じで使ってる留学生が多かった。
語学学校に通ってる期間が初回の留学を含め、2年ちょいと長すぎたのも要因の1つでしょうな。
こんな学校知らんし!コイツ真面目に学校行ってないタイプだろ
そう思われたのでしょう。
別室でも、どんな学校なのか?授業はやってるのか?講師の名前とか、細かに聞かれたし。
ということで3回目の理由は、学校がマイナーでビザキープ校だったからで決まり。
A君の場合
入国審査で滞在先住所、クラスレベル、講師名が言えなかった留学生のA君。
自分がどこに住むのかも言えないの?講師名知らないっておかしいよね?と怪しまれたのが原因。
ホームステイや寮何であれ、滞在先住所を提示できる書類は、すぐに出せるようにしておくのが鉄則。
クラスレベルや講師名については、初日のレベル分けテストを受けてみないとわからない、とはっきり言って大丈夫。
授業をスタートしている人が、講師名を言えないってのはアウトだけどね。
イミグレーションは独特な雰囲気だし、緊張するだろうけど、落ち着いていきましょう。
テンパってあたふたしてしまうと、残念ながら怪しまれちゃうのです。
B子さんの場合
バッチリメイクに、露出度の高い服と派手な格好をしていたB子さん。
きっとキャバとか働きにきたのだろうって思われた率高め。
ロサンゼルスには日系のキャバクラがあるんですよ。
留学生や中にはESTAで働きに来ているキャストもいたり。
イミグレーションはそういう情報も掴んでいてマークしています。
思い当たる人、要注意。
C君の場合
滞在期間90日MAX使い、ESTAで渡航したC君。
渡航目的を聞かれた際に”観光”と答えたら「90日も観光ってどこいくの?そんなに日数いらなくない?」とツッコまれ、別室送りに。
出稼ぎにでも来たと思われた可能性大。
理論上ESTAで問題ない範囲の滞在でも、長期期間になると疑われやすくなります。
短期間にESTAでアメリカに出入り、毎回滞在期間が長めの方も危険。
今はESTAでも別室送りになる可能性ありです。
ホテルや滞在先の住所が記載されているものをプリントアウトするか、予約画面をスクショしておきましょう。
観光なら具体的にどこへ行くか言えるといいですね。
強制送還になった理由
留学中に日本へ一時帰国をし、アメリカへ戻ってきた際入国拒否、その場で強制送還になったパターン2件を紹介します。
D君の場合
D君の当時の状況はこちら
- ビザキープ校に籍をおいていた
- 滞在2年目
- 20代前半
- アルバイトをしてた(違法です)
D君の通っていたのは、週2回通う語学学校で、いわゆるビザキープ校。
ここはイミグレーションからも目をつけられていて、校長から「入国拒否される可能性があるからアメリカ国外へ出ないように」とアナウンスされていたほどヤバめな学校。
まぁ、D君は校長先生の忠告を振り切り、帰国したわけですな。
案の定すぐさま別室送りになり、この学校に通っている理由、授業がないときは何をしているのか?講師名や授業内容など質問攻めを受けた。
ちょっと考えてみてほしい。
真面目に英語を学びたい人が、週2だけしか授業を行っていない学校へ行くだろうか?
他の学校は週4,5回授業ですからね。
ならば空き時間は何をやってるの?働いているんじゃない?と疑われても仕方ない(涙)
で、D君はうまく答えることができず…。
あと100万円を超える現金を所持していて、その使い道も説明できず。
これと合わせて強制送還となった。
E子さんの場合
D君同様にビザキープ校に通っていたE子さんの状況はこちら。
- 滞在4年
- 30代後半
- アルバイトをしていた
彼女は週1回通学するだけでOKの大学に通っていました。
ロックダウン中はオンライン授業のみの学校ばかりだったけど、この当時はコロナ前。
E子さんも「授業のない時間は何をしているのか?」と何度も質問され答えたけど「働いているんだろ?」の一点張りで、聞く耳を持ってくれなかったそう。
結局、別室送りからの強制送還に。
D君、E子さんともに怪しまれたポイントは”ビザキープ校”に通っていたからで、ほぼ間違いないでしょう。
ちなみにビザキープ校というのは、授業日数が少なく、講義も適当、格安、名前の知られていない学校を指します。
格安校とは授業日数はちゃんとしているけど、授業料が安く、マイナーな学校のこと。
少しでも留学費用をおさえたい!その気持ちよくわかります。
ただビザキープ、格安校はイミグレーションもチェックしているし、リスクでしかありません。
また格安校だと、ビザ却下率も上がります。
ビザ却下歴や強制送還歴があると、今後アメリカに入れるかも微妙…。
将来のことを考えると、大きなメリットは見つからず。
ここまで別室送り、強制送還になった人の事例を取り上げてみました。
では、別室対策をどうしたらいいか?
それはこれらに詳しくまとめたので参考にしてみてください。
別室送りにならないために準備しておくべきこと↓
別室ではどんなことを聞かれるの?↓
こんなパターンでも別室送りはあります
別室経験者のわたしが思うに、もし英語がうまく話せなかったら出てくるのにホント苦労するだろうな…。
そうならないために日頃から英語に慣れておくといいですよ。