アメリカで出会ったヤバい人:ハリウッド俳優の甘い罠

はじめの留学もカウントすると、アメリカ在住8年半になるわたくし。

これくらい住んでいると、色々な人に出会うわけで。

そう、素敵な人から変な人までね…。

思い返せばパンチのきいた人、けっこういたなと(笑)

ってことで、これまでわたしがアメリカで出会ってきたヤバい奴を、記憶をたどり綴っていこうと思う。

目次

ハリウッド俳優のオトコ

サンタモニカのショッピングストリート、3rd Promenadeにあるスタバは、好立地ってのもありいつも激混みだ。

この日の放課後、わたしはSちゃんと授業で習った文法を復習するため、スタバでお勉強会を開くことに。

ちなみにSちゃんは、旦那さんの転勤でLAに来た駐在妻で、語学学校のクラスメイトだ。

LAに来る前、大手アパレルショップに勤務していた彼女は、デニムとTシャツというシンプルなファッションながらも、アクセやバンダナといった小物使いが上手で、大人カジュアルが得意なおしゃれさん。

さすがアパレル出身だけある。

切りっぱなしボブがよく似合う、わたし大好物のサバサバ系女子。

同世代ということもあり意気投合。

英語があまりできないところもわたしと同じで、ロサンゼルスで必死に頑張る同士だと勝手に思っていた。

さて、話を戻してと。

注文をする前は何度も頭の中で”Can I have a Matcha Frappuccino, please?”を繰り返し、イメトレ万全で望むんだけど、うまく聞き取ってもらえず、結局モゴモゴ。

おまけにREIKOと言っても、大体レイチェルRACHELとカップに書かれる始末。

ドリンク1つ頼むのも一苦労なんだ。

ようやくオーダーを終え、抹茶フラペチーノを持ち空席を探す。

ほぼ満席の中、カウンター奥に2席空きを見つけたので、そこを陣取ってと。

カウンターしか空いてないけど、まぁいっか。

席を確保していると、オーダーを終えたSちゃんも合流してお勉強会開始。

と、そのときわたしたちの間を割って背後から誰かが話しかけてきた。

「君たち留学生なの~?」

声のするほうへ振り向くと、そこにはニッコリ微笑む白人オトコが立っているではないか。

身長はおそらく185センチくらいあろうか、細身体型のソレは、少しかがむようにこちらを見ている。

こげ茶色のパーマかかったショートヘアに透き通るような白い肌、さわやかメンズ代表のような甘いマスクの男性に若干の胸の高鳴りを感じつつ…

「あ…そうです、わたしたちこの近くの語学学校で英語の勉強をしてて」

実際こんなに流暢には答えられていないし、単語を軽く並べたくらいのお粗末英語でわたしは何とか返答をする。

「へぇ、そうなんだ!英語上手だね~」

これ留学あるあるだけど、ネイティブに”英語勉強中なんだ”っていうと”Wow!Your English is very good!”そう切り返してくるけど、どんなに下手でもそう言われるから、浮かれポンチキにならないよう注意しよう。

「どんな英語を習っているの?よければそのテキストブック見せてよ」

カウンターに開いたテキストブックを指さし、わたしたちの間に入ってくるオトコ。

学校の講師以外でネイティブと話す機会が全然なかった私たちにとっては、ローカル人と話す絶好のチャンス!とばかりに、わからなかった文法をあれやこれや質問攻め。

一通り聞きたいことを教えてもらったところで

「おっと、まだ名前も言ってなかったや。僕はサム、よろしくね」

「ホントだね、わたしはレイコ、でもって友達のS、はじめまして」

「サムは何してるの?」

「あ、僕は俳優なんだ。知ってるかなコレ」

そういって私たちにYoutubeか何かで スターウォーズのような動画を見せるサム。

「僕が出演しているやつなんだ」

「ウソー!!!凄い!!これ有名なやつじゃん! 」

声を荒げるSちゃん。

わたしドラマを全く観ないからポカーンだけど、Sちゃんいわくスターウォーズ級に有名らしい。

えっ!そなの!?もしやハリウッド俳優ってやつ???だったらなんか凄いじゃーん!!

校内1かっこいい男子先輩を見るかのように、わたしの目もキラキラ、あこがれの眼差しを向ける。

日本に行ったことがあるやら、日本は素敵な国だし食べ物が美味しい、だとかありふれた会話をしていると

「そろそろ僕行かなきゃ。よければ2人とも連絡先交換しない?」

「えー!もちろんだよ~是非♡」

こうしてサムの番号をゲットしたアラサー女子2人組。

”またね”と優しく微笑み、去っていくサムの後ろ姿を目で追いつつ

「ねぇ、ねぇ、これってヤバくない?あんな有名ドラマに出てる俳優さんとお近づきになれたんだよ♡」

「ヤバいよね! ハリウッド俳優さんがその辺にいて、しかも超フレンドリー! やっぱロサンゼルスはスケールが違う~。 」

鼻を膨らませ家路へとついたアラサー女。

家に帰ると、なんとサムの方からテキスト(メール)がきたんですわ。

”今日は楽しかったよ。できれば次はゆっくり話したいな。今度よければ食事でも行かない?”

キターーーーーーーー!!!!!

ネイティブと知り合いになるって、すごくハードルが高いものだと思っていた当時。

それがこんなにサックリ知り合いになれて、しかも相手は俳優さんときたもんだ。

”行く!行く!!”

速攻で返事。

そしてわたしはサムと会う約束をした。

翌日、Sちゃんに昨日のテキストの件を報告。

「ねぇ、Sちゃん昨日さ、家に帰ったあとサムから食事のお誘いがあったんだけど~」

「あ、いいじゃん!こっちも機会があればみんなでまた遊びたいねってテキストしてたんだよ。」

「でもわたし旦那いるから、もちろん2人で会うことはしないけど。レイコちゃんせっかくだし行っといでさ」

…サムもしやSちゃんとわたし、どっちにもデートのお誘いをしてたの?

もしくはこんな感じでサラッと誰にでも誘うのがアメリカ流??

アメリカ人男性の免疫がなさすぎて、全くわからーん!

なんて考えても仕方ない。

ネイティブと話せるいい機会だし、英語の練習だと思ってご飯行ってみよっと。

この軽い考えがまさかあんなことになろうなんて、このときは全く思いもしなかった。

サムデート編へと続く。

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