はじめてみた夫の以外な一面

殿様は几帳面で完璧主義者。

そして少しのズレや汚れは許せない、綺麗好きでもある。

全て事前にきっちり用意し抜けがない。

グリーンカード取得に必要な書類をお願いしたときだって、めちゃきれいにファイリングして付箋もつけて見やすくしてくれたし。

何でもテキパキこなす殿様なら、きっとスーパー秘書になれると思う(笑)

そんなミスターぬかりなし君の意外な一面を最近発見し、驚いたことがあった。

実は殿様、他グループのマネージャーからその部署に来ないか?とお誘いをもらいまして。

とはいえ、もちろん履歴書を出し、面接をパスしないとなんだけどね。

人材選考はそのマネージャーも関わるから、少しだけ有利かもってなくらい。

この仕事に就ければお給料は上がるだろうし、スキルアップになるから殿様も前向きに考えていたんだけど、躊躇する部分も…。

それはこれまでやってきた業務内容とは全く異なり、知識ゼロからのスタートになるってこと。

しかもその部署のストレスは半端ないらしい。

プレッシャーとストレスに耐えられるかが心配みたいで。

それでも自分のスキルアップにつながるなら、面接受けるだけでもいいじゃん、チャレンジしてみなよ。

殿様をプッシュ。

ということで履歴書を出し、面接までこぎつけた殿様。

面接日はレジュメを出してから3日後に決まった。

「マジかよー!3日で面接の準備なんて無理すぎるだろ!!」

面接のお知らせ画面を見て発狂する殿様。

それから面接までの数日、夕食後にはパソコンを睨み、せっせこ面接の準備を進める彼。

迎えた面接当日。

アイロンがけされたジャケット、シャツ、ネクタイ、パンツに身を包んだ殿様を見送る。

普段はデニムにポロシャツとカジュアルスタイルで出社する殿様だから、こういったドレスな感じは滅多にお目にかかれず新鮮。

やっぱ男性のスーツ姿って永遠にカッコいい。

面接時間の14時30分。

あぁ、殿様大丈夫かな~と時計をチラチラ気にしつつ、自分の作業をこなす。

1時間経っても殿様からの連絡はなし。

結局、彼から電話はなく。

「ねぇ、面接どうだったの?」

殿様が帰宅するや、聞きたくて仕方ないわたし。

「…。」

下を向いて浮かない表情の殿様。

「ん?どうしたの?」

殿様の顔を覗き込む。

「…全然ダメだった…自分の知らない知識についての質問が多すぎてうまく答えられなかったんだ」

「聞かれることは大体予想してたから、それに合わせて策を練ってたけど、全然時間が足りなくて準備不足」

「ほかの人は面接に1時間くらいかけてたけど、俺は30分で終わったし」

「採用されないだろうね…」

こんなに落ち込んだ殿様を見るのは初めてだった。

いつも自信満々で、何でもそつなくこなすミスター完璧君にもこんな一面あるのね。

「面接官5人に対して俺1人。でもって答えられない質問ばっかで動揺してさ、自分でも何言ってるかわけわかんなかったよ」

「まぁ結果がどうであれ、チャレンジしたことに意味があるじゃん」

「大丈夫だよ、職を失うわけじゃないんだし」

「また良さげな募集あったら応募してみよ、できればカリフォルニア以外がいいな(笑)」

そう、わたしの希望は他州への転勤なんだよね、実は。

だってカリフォルニア以外のところに住んでみたいんだもーん。

ともあれ、いつも威張ってる殿様の弱い部分を発見したわたしは、ちょっと嬉しくなりましたとさ。

わからないことなど何かあれば『おたずね箱』からメッセージをお願いします。

目次